リハビリテーション新聞

確保していますか? 相手のことを知る時間 丁寧な対話のための時間

画像引用 https://pixabay.com/



後輩がいる皆さま。 後輩の仕事への姿勢に、問題を感じることはありませんか?


私は、あります。
そして、問題を解決するために、指摘したいことが沢山あります。


しかし、後輩のことを、理解しないまま、指摘をして、失敗してしまったことがあります。

今回は、このことについて、取り上げようと思います。


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仕事ができる男Aさんは、中途採用1年目、社会人13年目の長身爽やか男子です。
理学療法士であり、ケアマネジャー・社会福祉士でもあります。
前の職場のことは、語りません。子育てを機に、転職したようです。



Aさんは、常に笑顔です。 謙虚でありながら、仕事が早く、確実で、中途採用1年目にもかかわらず、周囲から信頼され慕われ ていました。 


しかし、


私は、Aさんの仕事への姿勢に問題を感じていました。 自分の仕事以外のことは、当事者にならない姿勢をもっており、仲間になりきれないことを気にしていました。


そこで、私は、Aさんの考えてることを探ってみました。
「Aさん。良いアイデアを持っているはずなのに、どうして言わないんですか?」


すると・・・

 他人様のことに口をはさめません」
 「でしゃばりたくありません」


との発言あり。

どうやら他職員の職域に侵害しないように、気を遣って仕事をしている様子です。
ん~モッタイナイというか、粋というか・・・。





後日、Aさんの母親 と話す機会がありました。
実は、私は、Aさんの母親と、月1回カルチャースクールで一緒に盆栽をしているのです。



私は、さつき盆栽の花後の剪定をしながら、隣に座っているAさんの母親に、Aさんが職場で慕われていることを伝えました。すると、Aさんの母親は、喜びましたが、次の瞬間、表情が曇りました。



Aさん母
「あの子は、昔から頑張りすぎてしまう のよ。前の職場では、患者さんの予約がビッシリで、帰りが遅かったの。土日は学会とか勉強会。上司からは好かれるタイプみたいで、いろいろな役をやらしてもらったの。よく食事にも誘ってもらっていたのよ。でも、あれもこれも抱えこんじゃって、しんどくなっちゃったようなの・・・」




「あ~・・・。そうだったんですね。真面目なひとですよね」



Aさん母
「そうなの。母親の私が感心しちゃうくらい」



「自慢の息子ですね」



Aさん母
「まぁねえ。田植え をしてくれるし、町内会やPTAでも人様の役に立たせてもらっている ようで、自慢の息子かなぁ。 でね。この前、新しい職場はどう?しんどくない?って聞いたら。楽だよって。前の職場で自分1人でやっていたことを10人でやっているから、のんびりできるって」



「ええ!!!」



Aさん母
「私はね。亡くなったお父さんのために、もっと頑張れ って言っちゃった」




「どういうことですか」



Aさん母
「お父さんからもらった命。できることがあるんだから、もっと人様のためにやりなさい。お父さんより社会貢献をすることが親孝行だって」




「・・・そうですね。あ~。私、どうでもいいことに問題を感じていたようです」



Aさん母
「どういうこと?」




「私は、Aさんが自分の仕事以外のことに関わろうとしないことに問題を感じていたんですよ。 でも、そのような背景なら、私が、どうこう言うことじゃないですね」



Aさん母
「いえ、それとなく言ってやってください」



「いえ。Aさんはいろいろな立場をもっています。考えがあって、いまの姿勢で仕事をしているのでしょう」


Aさん母
「剪定がはかどらないわね・・・」




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後輩がいる皆さま。 後輩の仕事への姿勢に、問題を感じることはありませんか?


私は、あります。
そして、問題を解決するために、指摘したいことが沢山あります。


しかし、後輩のことを、理解しないまま、指摘をして、失敗してしまったことがあります。

今回は、このことについての話でした。

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皆、それぞれに、生きてきた道があります。
これ、患者・利用者にも言えることだと思います。
相手のことを知らず、何も始められないと思いました。



そして、知った後は、丁寧な対話が大切ですね。


「あそこのデイサービスは土曜日に入浴がないからやめておこう」
 → 最近、土曜日も入浴している。

「利用者Kさんは絶対にオムツにさせてくれない。長時間の外出はムリ」
 → 最近、妥協。外出できないくらいなら、オムツにすることに納得。


「玄関の段差に手すりをつけたけど位置が高すぎて使えない。改修失敗だ」
 → 段差緩和ステップありきの高さ設定なのにステップが無い。 単なる受注漏れ。

「あそこの病院は精神科の先生がヤブだからいかないほうがいい」
 → かなり昔に、精神科医が変わっている。

「子どもが生まれマイホームを建てたばかりの部下に転勤命令がだせない」
 → 実は単身赴任を望んでいる。




仕事には、コミュニケーションが大事です。
確保していますか? 相手のことを知る時間。丁寧な対話のための時間。 
もしよかったら考えてみてください。


平成29年6月7日
筆者 Masaki Kimura