リハビリテーション新聞

リハビリテーション職として上達するためのキーポイント 患者・利用者に、試行錯誤させる自主トレーニング


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そう。リハビリテーション職が、患者・利用者に触らなくてもいい。 相手に対して、適切な生活課題と、試行錯誤のための材料を提供し続けるだけで、相手は勝手に元気になっていく



リハビリテーション職の皆さま。 ちゃんと試行錯誤しているだろうか?




いや。




患者・利用者に、試行錯誤させているだろうか?



患者・利用者に、試行錯誤させることは、リハビリテーション職として、上達するためのキーポイントといっても過言ではない。 とても重要なことだ。








リハビリテーションでの試行錯誤は、PDCA(計画・実行・評価・修正)の繰り返しであり、いわゆる業務改善のようなものだ。 先日、暇があり、書店のビジネス本をペラペラめくってみた。



流行りのものを5冊ほど、みてみると、表現は違えど、共通点に気が付く。だいたい下のような業務改善のハウツーがかいてる。 








・なにか問題が生じたとき。 解決策を考える。
・どれが最適な解決策であるか、やってみなければわからないことが多い。
・だからと言って、1つの解決策に全力投球してしまうと、コケたときに、軌道修正に苦労する。
・そこで、同時並行で、様々な解決策を試し、ダメな策は早めに見切りをつけたりするものだ。
・そして、なんといっても、解決策の効果判定のために、数値で表現することが大切になる。
・数値が改善するような行動を、愚直にとり続ける。 行動を変えて、数値の変化を観察してみる。
数値の変化を観察した結果をもとに、行動の改善をする。






うーん。 まぁごもっともだ。 これでおわってしまうと。「へー」っておわってしまうくらい、平凡だ。




そこで、この業務改善のハウツーをリハビリテーション業界の話しに変換してみる。




こうなる。

・患者に活動制限が生じたとき。 解決策を考える。
・心身機能/環境因子への介入。どれが最適な解決策であるか、やってみなければわからないことが多い。
・だからと言って、1つの解決策に全力投球してしまうと、コケたときに、軌道修正に苦労する。
・そこで、同時並行で、様々な解決策を試す。様々な関節の可動域。筋力、運動戦略。 姿勢、動作。そして、家屋環境。介護保険の準備など。ダメな策は早めに見切りをつけたりするものだ。
・そして、なんといっても、解決策の効果判定のために、数値で表現することが大切になる。 角度、5段階、時間、距離、高さなどだ。
・数値が改善するようなリハビリテーションメニューを続ける。 メニューを変えて、数値の変化を観察してみる。
・観察結果をもとに、リハビリテーションメニューの改善をする。








うーん。 まぁごもっともだ。  ここで終わってしまうと、「患者/利用者に試行錯誤させる」 患者/利用者主体のリハビリテーションとの関連が見いだせない。








そこで、業務改善のハウツーを、患者/利用者の立場に適応してみる。






・自分に膝が痛み、歩けない問題が生じた。理学療法士から宿題がだされた ため、いろいろ考える。
・理学療法士は、「おへそが前にでないようになると膝の負担は減ります。お尻の筋肉を日ごろから意識するといいですよ」 と言っているが、どうやったら言われた通りにできるのか、やってみなければわからないことが多い。だからと言って、次のリハビリテーション予約をとっているとまで、なんとなくお尻の筋肉を意識して歩いているくらいでは、進歩がないことが多い。
・そこで、同時並行で、様々なことを意識して試してみる。 寝ているとき、座っているとき、立っているとき、歩いているとき、階段昇降や自転車でもお尻の筋肉を意識。 歩くときは、ハイヒールを履くので難しい。そこで、他の場面で、お尻の筋肉を意識してすごせばいいと思ったりするものだ。
・そして、なんといっても、解決策の効果判定のために、数値で表現することが大切になる。 意識した回数。意識した時間。 筋肉の収縮を触診した回数などだ。
・数値が改善するような生活を続ける。 飲み会や映画鑑賞ばかりしていると、お尻の筋肉を意識した回数。意識した時間。 筋肉の収縮を触診した回数などが激減してしまった事実を観測できた。
・観測結果をもとに、生活の改善をする。







患者/利用者の立場に適応すると、こんな感じだ。

今回は1例のみ変換してみた。 他の例でも、ステージ・境遇を問わず、変換しようと思えば、変換できる。


そして、この例のづつき。
この例の患者/利用者は、試行錯誤する自主トレーニングを経て、ひさびさのリハビリテーションの日がやってきた。
前回、理学療法士が言った 「おへそが前にでないようになると膝の負担は減ります。お尻の筋肉を日ごろから意識するといいですよ」 という問題は解決。 そういえば膝の痛みはかなり軽い。  階段降りや下り坂などの負荷テストをしても、おへそが前にでることがなくなった。





「患者/利用者に試行錯誤させる」 患者/利用者主体のリハビリテーションにより、問題解決!



めでたしめでたし。




うまくいけば、こんな感じ。
1回で、終わり。
いまいちなら、修正して、次回に持ち越しになる。



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「自主トレーニングこそリハビリテーションのカギ 」
これは誰もが気がついている。うまく
できずに依存させているリハビリテーション職が多い。



主トレーニングといえば、〇 〇 運動をを30回、朝昼晩」
この自主トレーニングが、生活になじまないことを一部のリハビリテーション職は知らない。




主トレーニングとは、生活動作の中で適切な負荷をかけることだ」

その通りだ。ここまで考えてくれていれば ”マシな” リハビリテーション職と言える。


主トレーニングとは、自分の生活になじむ適切な負荷を試行錯誤して、探ってもらうことだ」
ここまで、くると、とても、患者・利用者主体であり、個々の生活に応じて、応用が利く。患者が自身の生活を見つめる機会にもなる。 依存させることもない。





平成29年5月10日
筆者 Masaki Kimura